当院の学会発表


半月板の亜脱臼整復による膝痛改善と超音波診断装置による証明

中村昭治

なかむら鍼灸接骨院

キーワード:半月板の亜脱臼、半月板のずれ、半月板整復


【目的】 

 著者自身、長年膝痛で悩まされた経験から外傷性の明確でない膝痛(変形性膝関節症・スポーツ膝)は半月板が関与していると考え、治療法(整復法と固定法)を確立させた。

 しかし現代の整形外科学の考え方は、変形性膝関節症(以下膝OA)の原因は、加齢による軟骨の変性や変性軟骨磨耗片に誘導された滑膜炎など、軟骨に関与している説が最も有力である。その為それらの研究が盛んである。

 日本では推定で1000万人が膝の痛みを持つといわれている。膝痛の原因は、関節軟骨のすり減りや、関節の変形から起こると考えられている。

 しかし著者らは、20年以上の治療研究実績からこの考え方には否定的である。膝OAやスポーツ膝の痛みの原因は軟骨の変性からではなく、半月板の亜脱臼や半月板のずれであると確信している。

 しかし、客観的かつ定量的な診断基準も曖昧であること、又、治療効果判定のエビデンスとして、正確に評価法も確立されていないことはこれからの大きな課題である。

 本疾患において一番重要な点は痛みである。又、この痛みはどこからくるのか証明することが急務である。今まで半月板がずれる為に膝痛が発症するという説は、あまり論じられていない。著者らは、半月板の前方凸のずれ(亜脱臼)を整復することで、初診時多くの患者の膝痛改善効果を経験している。その効果は即座に現れることが特徴である。

半月板の前方凸のずれ(亜脱臼)を手技により整復することが超音波機器で撮影できたので今回紹介する。又、膝OAやスポーツ膝の痛みの改善に半月板整復が大きな効果があることを知っていただくことを本研究の目的とした。

【研究方法】

 超音波(EUB−7500)日立メディコ社製を使用。画像は全て内側半月板である。

被験者は当院に初来院(平成20年7月22日〜 7月25日)した膝痛患者

女 4名  (年齢 42才〜 71才)

合計 4名  平均年齢 60.25才

本実験の趣旨および目的などを口頭によって説明を行い、同意を得た。

【終わりに】

超音波検査機器の進歩によって整復前、整復後の半月板画像が映し出された。膝OAやスポーツ膝の痛みの大多数が半月板の亜脱臼や半月板のずれからと考えることで、本疾患の多くの謎が解けるのである。

 これから半月板のずれと、痛みとの関係についての解明を進めることが著者らの仕事である。

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